異 物 解 析

異物解析フロー

アサヒテクノリサーチでは全国各地よりクレーム品の原因調査及び混入異物の特定など、数多くの依頼実績があります。クレームについては迅速対応が求められることが多く出来る限りお客様のご要望にお応えすることをモットーに業務に取り組んでおります。また、対象試料は食品異物、ゴム類、樹脂・プラスチック類、油脂類、鉱物等の無機化合物類に加え金属破断原因調査と幅広い試料での調査実績があります。

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(事例紹介をご参照下さい。)

FTIR

FT/IRは主に有機物を分析する装置です。
FT/IRより得られた情報(赤外スペクトル)を解析することで、化合物の部分的な構造を推定する事ができます。
得られる赤外スペクトルは物質に固有の情報である為、データベースに記録された標準物質の赤外スペクトルと測定した赤外スペクトルを照合し、未知試料を同定します。
微小な試料でも測定可能である為、主に異物分析等に使用されます。
FT/IRでは、-OHや-COOHといった官能基の吸収はほぼ一定の波数域(特性吸収帯)に検出します。この吸収を解析することで、化合物の部分的な構造を推定することが可能です。
また、得られる赤外スペクトルは物質に固有な情報である為、標準赤外スペクトルとの照合により同定します。特に赤外スペクトルは数十万のデータが存在する為、未知試料分析に非常に有効です。
FT/IRによる異物分析に用いられる代表的な測定方法に“ATR(全反射)法”及び“顕微反射法”があります。
“ATR(全反射)法”は100μm程度までの微小物の測定が可能で、比較的前処理等が簡便の為、より迅速に異物解析を行うことができます。
“顕微反射法”は赤外顕微鏡を用いる為、10μm程度までの微小物、微小領域の測定が可能です。
また、モニターで測定箇所を確認しながら解析する為、異なる物質が混在している異物も組成の同定が可能になる場合があります。

ガスクロマトグラフ

 ガスクロマトグラフィーは、混合物中の成分を個々の成分に分離するクロマトグラフィーと言う分析手法の一種で、移動相に気体、固定相に液体を使用しています。注入口から注入された混合物は、キャリアガスにより、カラムに運ばれます。カラム中では試料成分と固定相との相互作用(吸着や分配)により、混合物中のあらゆる化合物が、カラム内を通過する内に分離されます。カラムには長細い配管に固定相である充填剤が充填されてパックドカラムや、内壁に液相が塗られているキャピラリーカラム等があります。分離された成分が検出器に到達し、ピークを検出します。 検出器は熱伝導度検出器(TCD)、水素炎イオン化検出器(FID)、電子捕獲検出器(ECD)、炎光光度検出器(FPD)、熱イオン化検出器(NPD、又はFTD)があります。
定性の場合、複数の測定条件で、検出されたピークの保持時間と標準の保持時間を比較することで可能です。
定量は既知の濃度の対象成分を含む試料を標準として分析し、濃度とピークの大きさ(面積または高さ)との関係をグラフ化(検量線) しておきます。これに未知試料の面積または高さを当てはめて、未知試料の濃度を求めます。定量方法には絶対検量線法、内部標準法、標準添加法等があります。試料にもよりますが、液中及びガス中濃度で%~ppm程度まで定量可能です。

 
土壌汚染調査 油漏洩調査
 こんな事でお困りではありませんか?
 
    ・「油の様な臭いがする」や「水に油膜が浮いている」
   など、発生源が鉱物油かどうか確認したい。
  ・汚染原因となる油種が何か判定したい
   (灯油?ガソリン?軽油?)
  ・土壌が油で汚染されているのか確認したい
   (油汚染対策工事関連)
   TPH試験で解決できるかも知れません。
水素炎イオン化検出器付きガスクロマトグラフ(GC-FID法)による
TPH試験法は汚染原因となる油種が判別出来る分析方法です。
アサヒテクノリサーチには、土壌汚染や油漏洩について数多くの依頼実績があります。
【油汚染対策ガイドライン(平成18年3月 環境省) 】に準じ、油で汚染した土壌、油が漏洩した水についてTPH試験を実施致します。
 
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ガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS)

 ガスクロマトグラフ/質量分析計(GC/MS)は、GCで分離された化合物を、MSでイオン化し、そのイオンの質量電荷比m/zで検出する複合分析装置で、環境分析、食品分析等の分野で、定性や定量分析に幅広く用いられています。特にGC/MSは多成分を対象とした微量分析に適しており、環境分析や水道水質分析の公定法に採用されています。水中、空気中、有機溶媒中の揮発性有機化合物やガス成分の定量や定性が可能です。
定性の場合、検出されたピークの保持時間とマススペクトルからより簡単に同定を行うことができます。検出されたピークのマススペクトルと装置内蔵のデータベース内のマススペクトルを比較することにより同定します。データベース内に収録されていない化合物の場合、一致率が低い結果となります。一致率が高いほど、定性された化合物が含まれる可能性が高くなります。
定量は既知の濃度の対象成分を含む試料を標準として分析し、濃度とピークの大きさ(面積または高さ)との関係をグラフ化(検量線) しておきます。これに未知試料の面積または高さを当てはめて、未知試料の濃度を求めます。定量方法には絶対検量線法、内部標準法、標準添加法等があります。試料にもよりますが、液中及びガス中濃度で約0.1ppm程度まで定量可能です。

SEM(走査型電子顕微鏡)-EDX(エネルギー分散型X線分析装置)

   動画の再生時間は2分31秒です。

 SEM(走査型電子顕微鏡)は肉眼では観察が困難は微小な物質を観察することが出来る装置です。
肉眼や光学顕微鏡は光を情報源として物質を観察しますが、SEMは光よりも波長の短い電子線を情報源として物質を観察します。その為、光学顕微鏡に比べて焦点深度が深く立体的な画像が見られます。
EDX(エネルギー分散型X線分析装置)とは、電子線を物質に当てることで得られる特性X線のエネルギーを測定し、物質に含まれる元素を測定する装置です。
SEM-EDXの組み合わせると、微小領域の組成分析が可能になり、物質のどの箇所に、どんな元素(定性分析)が、どの程度の量含まれているか(簡易定量分析)を分析する事ができます。
物質に電子線を照射した際に物質からは主に二次電子、反射電子及び特性X線が散乱します。
SEMでは、主に二次電子または反射電子信号を用いて像を形成します。
二次電子は試料表面付近より発生する電子です。二次電子像(SE)は試料表面の微細な凹凸を反映した情報を得られる事から、幅広い用途に用いられており、一般的にSEM写真といえば、二次電子像(SE)を指すことが多いです。
反射電子は試料を構成している原子に当たって跳ね返られた電子で、反射電子の数は試料の組成(平均原子番号、結晶方位等)に依存します。これらの性質を利用する為、反射電子像(BSE)は試料表面の組成の違いによりコントラストが異なって映る為、組成分布を反映した像となります。
EDXはSEMに取り付けて、特性X線を検出し試料の元素情報(スペクトル)を得る装置です。検出されたスペクトルで、特性X線のエネルギーがどの元素の特性X線に対応するかを調べることで試料ないに含まれる元素の種類を知る事ができます(元素の定性分析)。また、発生する特性X線の数は濃度に比例する為、各特性X線の強度(カウント数)を調べることで、試料に含まれている元素の濃度を調べる事ができます(元素の簡易定量分析)。
SEM-EDXの組み合わせにより、各元素の分布を2次元的に見ることができ、いくつかの元素を重ね合わせた画像を表示する事ができます(マッピング)。

EDXにより検出できる元素
・原子番号:6ホウ素(B)~原子番号:92ウラン(U)

定性・半定量分析

どのような元素・成分が含まれている(定性)を知り、かつ同時に、おおよそどのくらいの量が含まれているか(半定量)を調べることが出来ます。
定性・半定量分析後、ご指定の元素について個別に定量分析を行うことも可能です。
SEM/EDX測定は、微小な試料に有効です。

分析事例
冷却塔循環水の定性分析

・ICP発光分光分析装置を用いて測定します
・64元素を濃度推定します

スパナ表面腐食の定性分析

・SEM/EDXを用いて測定します
・正常部分と異常部分との比較を行います
・酸素が検出されていることから、異常部分は錆であることが分かります

事例紹介1

事例紹介2