RoHS・ELV

RoHS分析

RoHS指令とは、欧州連合(EU)において、2003年2月13日に公布され、2006年7月1日より施行された、電気・電子製品での特定有害物質使用を制限する指令です。 電気・電子製品に含まれる鉛、水銀、カドミウム、六価クロム、 PBB(ポリ臭化ビフェ二ール)、PBDE (ポリ臭化ジフェニルエーテル)の6種類の物質の使用が制限されています。

また、改正RoHSではフタル酸エステル類4種(DEHP,DBP,BBP,DIBP)が追加となり、トータル10物質が規制となりました。

当社では、精度の良い前処理・測定を行い、迅速な分析をお引き受けいたします。

RoHS分析には、次のような前処理、分析方法があります。

対象物質 測定対象試料の種類
ポリマー 金 属 電子部品
化学前処理 ・マイクロ波酸分解
・酸分解
・乾式灰化
・溶媒抽出
・マイクロ波酸分解
・酸分解
・マイクロ波酸分解
・酸分解
・溶媒抽出
Hg CV-AAS
Pb/Cd/Cr ICP、ICP-MS、AAS
PBB
PBDE
・燃焼/IC法
・GC-MS
適用外 ・燃焼/IC法
・GC-MS
Cr6+ アルカリ分解/比色法 温水抽出法 アルカリ分解/比色法

分析事例

樹脂中のCdPbの分析

  ・樹脂試料を粉砕し、乾式灰化します
  ・灰化後の残渣を酸分解し、ICP質量分析装置を用いて測定します。

フェライト中のCr6+の分析

  ・粉末状試料を温水抽出します
  ・ろ過後、ジフェニルカルバジド吸光光度法にて測定します

ニッケル溶出試験:ニッケルアレルギー試験

 ニッケルは工業分野で幅広く使用される金属であるだけに留まらず、アクセサリーや腕時計、眼鏡などの身に付ける装飾品の製品材料として使われている金属です。ニッケルは人体に対し、アレルギー性接触炎を起こす可能性があることが知られています。日本では規制はありませんが、多くの国々で、化学物質管理制度の対象物質となっています。欧州では、皮膚に直接触れる金属製品からのニッケル溶出量に基準を設け、流通や使用を規制しています。(REACH規制)

 

ニッケル放出量の判定基準

ニッケル放出量 皮膚に直接的かつ長時間接触する可能性がある製品 ピアス穴開通後に皮膚が完成するまでの期間、挿入しておく部材等
REACHの移行限度 0.5 0.2
EN1811:2011 +A1:2015 適合 不適合 適合 不適合
0.88未満 0.88以上 0.35未満 0.35以上
                                                   単位(μg/㎠/week)